グアテマラ便り(円藤 拓郎) 「グアテマラと日本の相違」
社内報「友愛」2010年5月発行号掲載
グアテマラ便り(円藤 拓郎) 「グアテマラと日本の相違」
グアテマラに来て1年たちました。元気です!日本とグアテマラとでの大きな相違点は、やはり言葉です。グアテマラに来る前から苦労することは覚悟していましたが、想像をしていたよりも大分苦労しました。相手の言っていることが理解できない、自分の意思を伝えられないことは非常に不便です。言葉が話せないと日本では当たり前のように出来ていることが殆ど出来ません。仕事中はもちろん、普段の生活でも常に誰かの助けを借りるような状態に陥ります。全ての事柄に対して消極的な行動を取るようになり、自分が情けなく思え、大変ストレスが溜まります。
そんな私も1年間グアテマラで生活し、スペイン語は普段の生活では困らない程度になってきました。スペイン語を覚えるにあたり大変助けられたのは、グアテマラ人の生活です。グアテマラ人は温和でとても人なつっこく、ある意味慣れ慣れしいです。知り合った次の日には「俺はお前のアミーゴ(友達)だろ。タバコくれよ。」みたいなことを言ってきます。むかっとすることもしばしばです。しかし、これが非常に助かりました。もし、日本の現場に日本語の話せない外国人がきたら私はきっと距離を置くでしょう。イライラして冷たく当たってしまうかもしれません。ですが、この国の人は違います。どんどん話してきます。こっちが解らない顔をすれば解るように話す努力をしてくれます。特に私のような若輩者には遠慮なんかしてくれません。どんどん話してきます。抵抗はありましたが、今思えばこの国に馴染んでいくことが出来た大きな要因です。私も是非見習いたいところです。
次に生活面の相違点について書いてみます。私が生活をしているのはアルタベラバス県のラティンタという町です。ここを起点に38kmの道路改修工事をしています。平均気温が30℃を超える常夏の陸の孤島です。ここでの生活は思いのほか苛酷でした。
日本とは違い、殆どの物が容易には手に入りません。工事材料はもちろん、生活用品を買うにしてもまずありそうな店を探し、なければまた違う店に行き、やっとの思いで買い物を済ませます。買い物がこんなに手間の掛ることだとは思いませんでした。ラティンタの町は毎晩のように停電、宿舎のシャワーは温水はもちろんのこと、水すら出ない、そして暑い。暑い部屋でろうそくの火をただ見つめる、この繰り返し、ちょと泣きそうになりました。良い仕事をするには、良い生活環境が必要です。切実にそう感じます。
まずはこれを改善していくことから始まりました。非常用の発電機を置き、宿舎の水道管を修繕し、シャワーは温水が出るように改良、衛星テレビを設置、NHKも見れるようになりました。今ではなかなか快適です。この国で一番落ち着く場所かもしれません。
次に施工で感じたことですが、基本的には日本とかわりません。発注者がいて我々がいて下請けがいます。発注者のコンサルタントと協議を重ね、下請けと打ち合わせをして工事が進んでいきます。私は日本のほうが土木技術が進んでいて、管理も厳しく、外国の工事なんていい加減にやっているのだ、という先入観をもってやってきました。打ち砕かれました。工事にはしっかりしたアメリカに倣った設計基準があり、それに基づき全てが決定されていきます。日本とかわりません。いい加減なところもあります。
例えば、現地合わせで道路の線形は日々変更されてしまうので、当初の図面など参考程度にしかなりません。しかし、日本よりも厳しいと思える部分もあります。発注者の職員が常に現場に常駐し監視をしています。埋め戻しなら締め固め試験(RI試験)、コンクリートなら各種現場試験をしている横には常に彼らがいてデータを記録しています。私はスランプコーンを抜くのが早いと注意されました。全ての工事は、発注者の職員が常に現場で出来形・施工量をチェックしています。いい加減なことは出来ません。グアテマラにはグアテマラのやり方があり、常識があります。はじめは日本のやり方を一方的に教えようと試みました。でもその殆どはこの国の常識にはそぐわないものでした。例えば、私は工事開始から測量士のコントロールを担当しているものですが、測量士に丁張りを教えたら、相手にもして貰えませんでした。一年間この国で仕事をした今なら解るのですが、そんな立派なものを作ったら30分で盗まれてしまいます。安全面について言えば、カラーコンを置いて開口部養生をするなんてもってのほかです。すぐに部外者が持って行ってしまいます。代わりに石を石灰で白く塗ったものを奇麗に並べて明示したり、木の枝に赤いビニールをつけて立てたりします。これすら持って行かれてしまいます。施工について言えば、例えば日本で均しコンクリートを打つとしたら、10㎜、20㎜深く掘れてしまっていても、そのままコンクリートを打ちます。しかし、グアテマラではその誤差を埋めようとします。何かと打設量を減らそうとします。材料の方が人件費よりも高いからです。さらに極端な例では、曲った釘をもとに戻して使おうとする人もいます。日本の工事は確かに進んでいて、より近代的ですが、グアテマラの常識にそぐわなければ意味がありません。かといって、現地人がおかしなこと、危ないことをしているのにただ黙って見ているわけにもいきません。現地のスタッフと良くコミュニケーションをとって、工事を進めていくことが大事なのだと感じている今日この頃です。
このように、グアテマラは日本とは数々の違いがあり、不便なことが多いです。しかし、そんな国だからこそグアテマラ人は人に頼る、頼られることへの抵抗感が少なく、人なつっこい性格をしているのでしょう。私たちもやはり現地で仕事をするには、現地のことに精通している、その国の人間の助けが必要です。
これからまだ一年間、先は長いです。最後まで彼らと協力しあい、工事を完工に導いていきたいと思います。
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生まれてからずっと生活してきた名古屋から遠いところで仕事がしたいという希望が、海外勤務といった形で実現となりました。
海外勤務での一番の難関が言語ですが、ペルーはスペイン語が使われます。赴任して3週間が過ぎ、あいさつ程度は出来るようになりました。発音は簡単です。英語のように発音が下手で通じないことはありません。棒読みで分かってもらえることが多いです。ペルーではバイクを改造して人が乗れるような箱をつけたタクシーがたくさんあります。乗車賃は距離やドライバーによって変わりますがとても安く、主要な移動手段となっています。
今まで海外事業部で働いてきて感じていることは、他の部署と異なることが多くあるということです。様々なことが経験でき、学ぶことが多い部署で楽しいことも多くある反面、海外が中心で非常に難しいこともたくさんあります。
私が現在従事している現場は、グアテマラのアルタベラバス県~キチェ県~ウエウエテナンゴ県を結ぶ国道7号西線の第2工区44.4kmを改良する工事です。工区の大半は山間部にあり、急カーブやアップダウンが続く道路です。当初未舗装であったこの道路を拡幅し舗装するというものです。以前は車が通ると砂埃が舞い、その度に顔を覆わないといけない上、雨が降れば土砂崩れで通行止めになるなど、日本では考えられないほど道路環境が悪く、工事の必要性をひしひしと感じました。この道路ができれば、物流もよくなる上、救急車等の緊急車両もより早く駆けつける事ができ、生活レベルが格段と向上すると思います。
この現場は図面がほとんどなく、問題があれば現地で打ち合わせをして指示書をもらい、施工をするという形式で、日本のように図面どおりに仕事をすることができません。どこに何をどのように造ればいいのかという技術的な問題に加え、スペイン語による指示を理解することと、作業員にスペイン語で指示を伝えることという言葉の問題、この2つの問題を解決する知識が必要となります。まだまだそのどちらもままならないので猛勉強中です。